
研究開発期間 平成19年度~平成22年度

日本型安全社会・オープンタウン・地域の再構築・社会の変革・家族の絆の構築・世代のつながり・人のつながり
現在、わが国で重要な命題となっている教育再生・地域再生に対して、地域の子どもの安全をテーマに広く人をつなぎ、討論を重ね地域社会の新しい形態を見つけ出します。普及する携帯電話やインターネットのツールを活用し、日本型オリジナリティに富んだ安全なまちづくりを進めていく中で、価値観の違う人と人のネットワーク・世代を超えた人と人のネットワークを構築し、理想とする地域社会を創りたいと考えています。
家族関係の変化、少子高齢化社会の現出、社会構造の変遷の加速化などにより私たちが抱える不安が大きくなった現在、地域社会の中で起こる課題を、世代をつなぎ、人をつなぎ、その課題の解決に向けて話し合い、行動することが社会のめざすべき変革につながると考えています。そのために、未来を担う子どもの安全をテーマに子どもも含めて人が集い、価値観の違う人と人が議論し、めざす地域社会を模索したいと思っています。生活に根差した実践と行動により思考し、思考によって実践と行動を行い、めざす地域社会に近づきたいと考えています。
安全で安心して暮らせる社会は、私たち人間社会の基本だと思います。刻々と変化する社会情勢、自己中心的な考え方に陥りやすい現代において、「犯罪からの子どもの安全」のテーマは、すべての人が共通して考え、行動できるテーマだと思います。私たち住民がお互い少しずつであっても、このテーマに取り組むことにより、地域社会でのさまざまな課題が提起され、その課題解決のための行動が子どもの安全につながると感じています。また、めざす社会への変革にもつながると思います。

子どもの「犯罪からの安全」を成し遂げるために、私たちに何ができるのか、何が必要なのか。ツールとして私たちはGPS携帯(GIS)・情報共有システム・コミュニティFM局を活用して堺市東区の安全安心ステーションを構築し、議論を通じて地域社会の変革をめざしています。ツールを利用しての対象は、主に幼児・小学生ではありますが、めざすは地域社会の変革であり、すべての住民の方が対象です。このプロジェクトを進めていく中で、高齢者からの見守りの要請も多く寄せられ、地域の課題解決に向けての応用も広がると思います。

私たちは、安全安心ステーションを東文化会館に構築し、GPS携帯・情報共有システム・FM局などをツールとして、コーディーネーターの役割を担うことができるよう、関係機関や人をつなぎ、研究開発を進めています。研究者も共に活動していただき、現場の人々も研究者からの意見を聞き、協働して問題解決に取り組みたいと思っています。

GPS携帯のGIS情報、情報共有システム、コミュニティFMの3つのツールを使って、子どもの見守りを実践しています。ツールが何であっても、地域の住民が情報を共有することによる効果、共有する情報の話し合いによる効果、それらのことが地域社会に大きな影響をもつと思います。私たちは、上記のツールを活用しながら、話し合いによって生まれた課題解決に向けた実践と様々な活動の行動によって地域社会の再構築にチャレンジしています。過去、日本ではじめて公道上にセンサーライトを設置し、街頭犯罪抑止に大きな効果を得、その手法が日本に広がりました。社会生活の情報化が進んでいる今、普及している携帯電話やホームページ上に設置した情報共有システムは一般的に利用できるものと思います。コミュニティFM局については、開局が困難ですが、安全安心ステーションをどちらかに設けることにより、地域の課題を共有し、広く普及しているツールを利用することにより、希薄化している地域社会の再構築が実現できると思いました。ツールを使う是非あるいはツールの有効性の検証よりも、その議論や話し合いを通じての人の関係の構築、関係機関の連携こそが地域社会の構築につながるものと思います。また、コミュニティFM局は全国的に成功例が余りありませんが、広告収入によらない、住民のための、住民による放送が継続して実施できる方法を見出すことができれば、公共放送としての本来の役割を共有できると考えています。
どの地域でも様々な活動が行われています。位置コードを組み込んだ携帯電話を使ったGIS情報と今回社会実験を繰り返して設置した情報共有システムを活用した「子どもの見守り」を普及することが可能だと思います。
プロジェクトでの取組みは、研究開発期間が終わってからも続いていくものであり、継続していくべきものでもあります。今回の研究によって得られた一つの社会システムの提案は、形は変わっても活用され、普及するものと信じています。活用するツールは異なっても、取り組む地域の課題が違っても今回私たちのプロジェクトですすんだ人間関係の構築は応用することが可能だと思います。地域社会の構築は、完成するのではなく、日々構築に向けて行動することが大切で、普及させるのではなく、普及することをめざしています。現実に私たちのプロジェクトで取り組んでいる活動は、既に近隣に大きく影響し、活用されている実感があります。
①学校の門を開放したい。②現在参画している東区のまちづくり会議に提案することにより、このシステムの利用をめざしたい。③東文化会館に拠点を置くことにより、現在多くの住民の利用が促進されている。公立の文化会館が単なるハコ物ではなく、有効な活動拠点として住民の利用が進む。④今回の議論によって持ち込まれた様々な課題に対応する住民の組織ができ、それによって子どもの見守りもより活発になる。⑤地域の課題は国家の命題になる。その芽が出たときに、地域での情報共有が課題の解決に役立つ。
報告書などはこちらからご覧いただけます。
【プロジェクト実施者】
(堺市立東文化会館)








【プロジェクトに協力する関与者】