子どものネット遊び場の危険回避、予防システムの開発
下田 太一(特定非営利活動法人青少年メディア研究協会 副理事長 /合同会社ロジカルキット 代表)
※平成23年4月付で前代表者の下田博次 特定非営利活動法人青少年メディア研究協会 理事長より変更となりました。
研究開発期間 平成20年度~
平成22年5月10日
- NHK「おはよう日本」でプロジェクトの取組みが紹介されました。
特集「『プロフ』サイトから子どもたちのつながりを探る」
平成21年3月28日開催
キーワード

ネットの見守り、ネットモニタリング、学校、教育委員会、生徒理解、生徒指導、ペアレンタル コントロール、親・教師の視点、学校の負担軽減
概要
子どものインターネット利用問題において、見守り・指導することのできる能力=ペアレンタル コントロール能力をもった人材(保護者・教師)の養成をめざす。
また、その種の人たちの市民的活動(子どものネット利用見守り・指導活動)を支援するための情報通信システムCISS(Civil Instructor Support System)の開発・運用を行い、地域において子どものインターネット利用問題解決のための仕組みづくりを進める。
プロジェクトで取り上げる社会問題の現状や背景・社会的ニーズ
子ども(生徒)のインターネット利用が関係した事件・トラブルが学校現場をはじめとして大きな関心事となっている。その一方で、とくに携帯電話からのインターネット利用とその問題については、その実態把握や対応については学校単体では困難な状況にある。この課題解決のため、NPOや市民団体等との協働とそのための体制づくりが求められている。
このプロジェクトで目指す成果とその対象

- 学校・教育委員会・市民団体等が連携して活動することのできる「ネットの見守り・指導活動」のモデルづくり
- 1.の関与者の活動支援のためのシステム「CISS」の開発・実用
- 子どものインターネット利用問題において、地域(とりわけ学校)を支援できるネットの見守り・指導活動とそのための情報通信システムの必要性についての社会提言
問題解決に取り組む現場の人々と研究者の協働による研究開発の進め方
CISS利用とネットの見守り活動の実践において、以下の地域・機関との連携を進めている。

- 群馬県
県内10校の中学校を対象に、県教育委員会の「携帯インターネット問題学校サポート事業」の一環として、CISS利用と本プロジェクトによる情報提供を開始した。それらの情報は、学校での生徒指導または生徒理解において生かしていくことを目的に活用されている。
- 高崎市
高崎市では、前年に続きモデル校2校(中学校)への情報提供を継続している(上記群馬県の内容と同様)。また今年度からの新たな展開として、高崎市におけるネットの見守り活動の担い手の養成のため、「見守りサポーター(仮称)」の養成を試験的に開始した。
また上記のような学校関係者を中心とした取組のほか、県内で市民インストラクター活動を展開している「ぐんま子どもセーフネット活動委員会」と、CISS利用およびネットの見守り活動実践についての検討をはじめた。CISSを使ったネットの見守り活動の実践を行なう市民インストラクターを募り、その活動の支援として研修会を行なっていくことを計画している。
- その他の地域
広島市、高知県などCISS利用についての検討を進める。特に、ネットの見守り活動を誰が、どのように実践することができるのか、ということを主な課題としているが、高崎市などのモデル的取組を基に、具体的方法等について検討していく。
科学的手法・知見の活用・創出

CISSの開発にあたって、次のような挑戦課題に他機関との共同研究を通じて、取組んでいる。
- サイトモニタリングのための新技術(PCと携帯インターネット間のプロトコル変換)および有害情報発信検出のためのエキスパート・システム開発
- ペアレンタル コントロール原理をもとにしたサイト評価基準モデル作り
- ネット上での子ども達の行動様式、人間関係を把握するためのリンク解析
とりわけ3.については、学校の生徒指導の現場において「ソーシャルグラフ(人間関係図)」という形で情報提供とその活用を進めている。
ネット上では性別や年齢に関係なく人間関係をつくり出すことができ、その中には親・教師として注意すべき点(未知の大人との出会い等)がみられることもある。ソーシャルグラフの活用は、子どもが発信しているサイトを中心に、ネットモニタリングを通してこの様子について把握し、生徒理解(場合によっては生徒指導)につなげていこうとする試みである。単なる情報収集や報告のためのネットモニタリングではなく、保護者(特に学校)による日常の見守りや実態把握を支援できるツールとして、教育委員会や学校を中心に、その活用方法について整理を行なっている。
成果の社会での活用・普及に向けた将来構想
成果の社会実装にむけて、学校などの教育現場を中心として、地域におけるネットの見守り活動の必要性とそれを支援するためのシステム(CISS)の意義を実証することを計画している。
そのために、現在モデル的に実践を進めているいくつかの地域のなかで見守り活動のあり方とCISSの機能を確立させることが重要である。
その上で、次のような検討を進めるとともに、持続的に実行していくことを計画している。
- ネットの見守り活動とその支援システム(CISS)の必要性についての社会提言。
- CISS運営機関の設立。より広範な地域での活用・普及。
- ネットの見守り活動に関連した企業・団体への本プロジェクトの成果移植。ネットの見守り活動に関するノウハウ、システムの社会実装。
上記のような計画を想定し、本年度より、本プロジェクトで進めるネットの見守り活動の社会実装やその具体的方法、協力機関との関係づくりについての検討を引き続き行なう。

プロジェクト実施者・関与者(リンク)
【プロジェクト実施者】
- 下田 太一:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会/合同会社ロジカルキット

- 下田 博次:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会

- 片山 雄介:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会
- 加藤 千枝:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会
- 二本柳 雄樹:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会
- 小川 真佐子:特定非営利活動法人青少年メディア研究協会
【プロジェクトに協力する関与者】