
企画運営室 室長 斎藤 尚樹
アソシエイトフェロー 安藤 二香
当センター(RISTEX)は平成13年の活動開始以来約10年を経過しましたが、19年度にスタートした「犯罪からの子どもの安全」研究開発領域は、立上げに当たり、それまでの領域探索・設計及び運営のやり方を大きく変革した、いわばRISTEX「第2世代の1期生」と言うべき領域です。具体的には、①社会の具体的問題の解決に重点を置き、②個別の専門分野では対応の難しい課題に対し、人文・社会、自然科学にわたる分野横断型の研究開発体制を組織し、③現場の実践に関わる多くの「関与者」(ステイクホルダー)との連携により、現場での社会実験等を通じプロトタイプを提示し、④PDCAサイクルを1回以上回すことにより、具体的成果の社会実装・還元を目指すとの考え方に立ち、安全・安心問題に取り組まれる多数の有識者・関与者からのご意見、ご提言を伺った上で、文字通り「手作り」での領域設計・公募を行いました。
以来、21年度までに「情報安全」「地域安全」「啓蒙・教育」という3つの主要テーマにわたり、計13件のプロジェクト(PJ)を採択し、片山領域総括の下、広範な分野の専門家・有識者から成るアドバイザリー・グループにより、現場での実践を重視したきめ細かい指導・助言をいただきながら、東は北海道から西は九州に至る各地域でPJの展開を進めています。本領域のPJは、大学等の専門家の他、企業の技術開発関係者、現場での実践に取り組まれる地域のNPOや学校・教育委員会・PTA、自治体の防犯部門関係者など、多様なセクターや専門分野の実施者・関与者の協働により進められている点が大きな特徴です。
本領域の取組も開始から3年余を経過、いわば折返し点を過ぎ本格的な成果創出・展開を図っていくべき重要な段階に差し掛かっています。同時に、PJ間の連携や関係分野の外部専門家・機関等とのネットワークの強化により、領域全体としての成果創出に向け、取組を更に深化・発展させていくことも重要な課題です。先に開催されたPJ実施者・アドバイザー各氏が一堂に会する領域合宿に小生も参加しましたが、出席者一同が具体的な成果創出や連携強化に向け、各々の想いを語り、熱い議論を展開していたことが大変印象的でした。今後とも領域全体としての目標達成を目指し、関係者一同、一層の努力を積み重ねていく所存です。ご関心のある皆様のご理解、ご支援を宜しくお願いいたします。