社会技術研究開発センターが平成19年度にスタートさせた研究開発領域「犯罪からの子どもの安全」も3年がたち、このシンポジウムも3回目となります。本領域では、現場の知恵や経験に科学的な知見や手法を導入することによって、防犯対策が効果的で持続的な取り組みとなるよう、現場で問題解決に取り組む人々と研究者の協働を促すネットワークの構築と研究開発プログラムを推進しています。2年目、3年目と公募を重ねるにつれ、「犯罪からの子どもの安全」という領域が、初めに私たちが考えていた以上にすそ野の広い分野であることを今さらのように感じています。
近年、国としても地域で子どもを守る取組みを推進しており、大人による防犯パトロールや子どもへの防犯教室などが行われていますが、犯罪からの子どもの安全は、子どもが受け身の対策だけで保てるものではありません。大人が子どもの安全を考えるのは当然として、子どももまたそのための能力を身につけ、さらに高めていくことが大切になります。
今回のシンポジウムでは、犯罪からの子どもの安全に向けて、子どもたちの能力をどのように引き出し、子どもを守る大人の力をどう高めるかをテーマに、研究開発プロジェクトに携わっている4人の方々に講演をお願いしました。また、パネルディスカッションでは、それらの力を地域の力にどうつなげるかという視点も交え、実際に現場で毎日活動している方を含めたディスカッションを行います。
これまでの3年間に採択した研究開発プロジェクトは13課題になります。平成24年が研究の終了年度となるため、これ以上の公募はいたしません。今回のシンポジウムでは、講演と同時に全13プロジェクトのポスター発表を行います。子どもの安全に向けて、多様なアプローチがあることを実感いただけると思いますので、是非、ご来場下さい。
13:00~13:15(15分)
イントロダクション
◇ 開会挨拶
片山 恒雄 「犯罪からの子どもの安全」領域総括/東京電機大学 教授
◇
領域の紹介(PDF:713KB)
安藤 二香 社会技術研究開発センター アソシエイトフェロー
13:15~15:15(120分)
講演
◇
子どもを守る組織の課題(PDF:1,070KB)
田村 正博 早稲田大学社会安全政策研究所 客員教授
犯罪や非行から子どもを守るには、子どもをサポートする公的な機関の力が重要かつ不可欠です。犯罪対策の専門機関である警察での経験を踏まえながら、子どもを守る公的な機関の役割や現状、課題について紹介します。
◇
子どもたちの対人関係能力を向上させ自尊感情を育成するために(PDF:930KB)
小泉 令三 福岡教育大学教育学研究科 教授
非行そして犯罪に巻き込まれないためには、状況や他者の感情を理解し、自分の感情を制御すること、また自尊心を高めることが必要です。子どもへの予防教育の必要性や学習プログラム開発の取組みについて紹介します。
◇
子どもを守るリーダーをどうやって育てるか(PDF:3,879KB)
坂元 昂 社団法人日本教育工学振興会 会長
地域で子どもを守る取組みが各所で行われていますが、地域の特性を踏まえて活動し、見直していくことが必要です。取組みを指導する地域の防犯リーダーの現状や課題、学習プログラム開発の取組みについて紹介します。
◇
犯罪を未然に回避するコミュニケーション能力(PDF:881KB)
平田 オリザ 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター 教授
犯罪被害の発生や拡大の防止には、子どもの知識や意識を高めるだけでなく、危険に対応できる基礎的なコミュニケーション力が必要です。演劇を用いた防犯教育プログラムの開発や指導者育成の試みについて紹介します。
15:15~16:25(70分)
来場者との対話
◇ ポスターセッション:13研究開発プロジェクト
<ポスターデータ>
♦ 子どもの見守りによる安全な地域社会の構築 ハート・ルネサンス
♦ 系統的な「防犯学習教材」研究開発・実践プロジェクト
♦ 子どもの被害の測定と防犯活動の実証的基盤の確立
♦ 犯罪からの子どもの安全を目指したe-learningシステムの開発
配布資料(PDF:657KB)
♦ 子どものネット遊び場の危険回避、予防システムの開発
♦ 犯罪から子どもを守る司法面接法の開発と訓練
♦ 虐待など意図的傷害予防のための情報収集技術及び活用技術
配布資料(PDF:1,414KB)
♦ 計画的な防犯まちづくりの支援システムの構築
♦ 子どもを犯罪から守るための多機関連携モデルの提唱
♦ 犯罪の被害・加害防止のための対人関係能力育成プログラム開発
♦ 被害と加害を防ぐ家庭と少年のサポート・システムの構築
♦
子どもの犯罪に関わる電子掲示板記事の収集・監視手法の検討(PDF:1,671KB)
♦ 演劇ワークショップをコアとした地域防犯ネットワークの構築
16:25~17:55(90分)
パネルディスカッション
◇ 子どもの力・大人の力を地域の力へ
コーディネーター : 山本 俊哉 明治大学理工学部准教授
パネリスト : 池﨑 守 特定非営利活動法人さかいhill-front forum理事長
小泉 令三
坂元 昂
田村 正博
平田 オリザ
17:55~18:00(5分)
◇ 閉会挨拶
有本 建男 社会技術研究開発センター センター長